何のために酸洗いをおこなうのか

酸洗いの概要について

「酸洗い」とは、酸で金属を洗って綺麗にする処理のことです。酸やアルカリ、溶剤などの化学薬品を使って汚れや汚染などを除去する方法を化学洗浄といいますが、酸洗いはその代表的なものです。金属を熱処理する…
Read more硫酸を用いた酸洗い

酸洗いは金属製品の汚れやサビ、溶接焼けなどの不具合を強酸性の薬剤で洗い流す作業です。使用する薬剤は様々ですが、最も広く普及しているのは硫酸です。硫酸は強酸性の薬剤の中でも安価な部類に入るので、作業…
Read more酸洗いの効果と安全に作業を行うための注意点

酸洗いは金属製品のがんこな油脂のよごれや溶接焼けを綺麗に溶解させて除去する効果があります。金属製品に傷がつかないのが利点ですが、有害な薬剤を使うので作業中の換気や保護具の使用は不可欠です。
塩酸を用いた酸洗い
酸洗いの種類とその違い
酸洗いとは金属製品を酸性の溶液に浸して表面についた汚れなどを取り除く洗浄工程です。主に製品の溶接などが終わった後に酸洗いを行い、その後で塗装等を行うという工程で金属製品が作られていきます。この酸洗いに使われる酸には、大まかに塩酸を使った方法と硫酸を使った方法の2つがあります。基本的にどちらを用いても金属の汚れを取り除くことができますが、塩酸は揮発性ですが硫酸は不揮発性であったり、価格は一般的に硫酸のほうが安く塩酸が高い、人体への影響は塩酸のほうが軽微であり硫酸は取扱に特に注意が必要な点などが異なります。 コストの問題はあるものの、労災を減らしたり硫酸の希釈などの工程を減らす意味でも酸洗いには塩酸を使うという工場は多いようです。

酸洗いの豊富なメリット
酸洗いを行うことには多くのメリットがあります。一つは洗浄工程としては製品に力が加わらないため、柔らかい金属や細工品などでも綺麗に洗うことができる点です。汚れを取り払うために磨いたり削ったりの研磨作業を損なうと、力が加わって曲がってしまったり、表面が削れて模様が取れてしまいますが、酸洗いではその心配はありません。また、ステンレスが錆びにくい秘訣もこの酸洗いにあります。ステンレスに含まれるクロムは酸素と結びつくことで不動態皮膜を形成します。この不動態皮膜によって保護されているのでステンレスは錆びないのです。酸洗いによって表面の汚れを綺麗に取り除くことでステンレスの表面が均一になります。そして、酸素と反応することで、はがれにくい均一な不動態皮膜を作ることができるのです。